福岡腹膜透析カンファレンス
2024年10月3日(木)18:30~
会場:ANAクラウンプラザホテル福岡
主催:ヴァンティブ
講演テーマ
『高齢者の腹膜透析を支える診療所看護師の役割』
〜訪問看護STと在宅療養支援診療所勤務を経験した看護職の立場から〜
全体を通しての感想
今回、九州大学病院腎疾患治療部准教授でいらっしゃる中野敏昭先生に座長を賜り、福岡の地で講演をする機会をいただきました。
地域医療を担う在宅支援療養診療所の看護師という立場から、特に高齢者腹膜透析患者の支援に焦点を当て、私たち看護師が果たすべき役割についてお話をさせていただきました。
講演では、当院における高齢者腹膜透析患者への具体的な取り組み事例を交えながら、現場での日常的な看護ケアの実践、さらに透析患者を支える際に直面する課題についても詳細にご紹介しました。特に「住み慣れた場所で、できる限り長く、そして最期まで過ごすこと」を実現するために、私たちが目指すべき「緩和的腹膜透析」という目標に焦点を当て、その実現のために重要な要素についても深く掘り下げました。
「PDラスト」に向けての当院の取り組みと理念を、講演の最後にメッセージとして皆さまにお伝えし、無事に講演を終えることができました。
質疑応答の時間には、参加者から訪問看護ステーションとの具体的な連携方法や、患者の医療保険と介護保険の適切な使い分けに関する実務的な質問をいただきました。それに対しては、地域医療と病院医療の双方が緊密に情報共有しつつ、患者一人ひとりの状況に応じた最善の医療を提供するための協働体制が、今後ますます重要になることをお伝えしました。住み慣れた場所で最期まで透析を続けられるようにするためには、地域医療全体が連携して支援体制を整える必要性を改めて感じる機会となりました。
私たち看護師として、この「PDラスト」の理念を実現するために何ができるのか、また、当院が取り組んできたさまざまな実践が少しでもその一助となることを願っております。これからも、地域に根ざした医療の実現を目指し、引き続き努力を重ねてまいりたいと思います。